大谷翔平を超えていた“消えた天才”は今「私みたいになって欲しくない」なぜプロ野球を諦めたのか? 仙台育英の同級生“ベンチ外”松原聖弥はプロに… - MLB - Number Web - ナンバー
大谷翔平と同じ学年で
小中学生時代は大谷翔平を圧倒的に超える逸材だった渡辺さん。
小学生時代から「キミは必ずプロに行くから」と、大人からサインを求められるほどの
野球の天才・申し子と言われていた選手の話に
非常に感銘を受けた。
是非、進プロ生の皆さんにも紹介したい。
すごかった――。
渡辺だけではない。今回の取材で小学校時代、あるいは中学時代にそう言われていた選手のほとんどがプロ野球選手になるという夢をつかめていなかった。
彼らのウィークポイント。
それはやらなくてもできてしまうところなのだろう。
やって、やって、やっとできるようになった経験がないから、どうしても見切りが早くなってしまう。渡辺はそれも自覚していた。
天才の告白
「プロになった人間」との決定的な違い
「私もどっちかっていうとできちゃったタイプなんですよ。特にがんばったという記憶もない。そうすると謙虚になれない。挫折は早い方がいいと思います。私の場合、最初の挫折が高校2年とかだったんで。小学校時代とかに大谷(翔平)に出会っていたら中学で軟式はやっていなかったかもしれませんね」
渡辺は「自分は狂えなかった」と言う。
どんなに才能豊かでも自分を信じ切ることができないタイプと、
どんなに下手くそでも勘違いしているとしか思えないくらいに自信過剰なタイプがいたとして、
極論になるが、
アスリートとしてどちらが成功する確率が高いかといえば
間違いなく
後者だろう。
渡辺は自戒を込めて言う。
「プロになったやつを見てると、身の程知らずなところがあるんですよ。
試合にも出てないのに『俺は絶対、プロになる』とか。
おめーが言うなよ、って。
でも
そういうやつが
化けることがある。
僕も中学まではそう思っていたけど、すごいやつらをさんざん見てきて『無理だわ……』って、どんどん気分が落ちて行ってしまった。
無理なのわかっててやるの、恥ずかしいって思っちゃうんですよ。バカじゃね? って。
でも、
そう思ってる方が
ダサいんですよね。
今ならわかるんです。
そう思ったとしても、
がんばればよかったのに、
って。
あきらめなくても9割方、何者にもなれないんですよ。そんなに甘い世界ではないんで。
でも、
やり切ることが大事
なんですよね。」